「虚飾で彩られたカラス」から、他者の「羽」で自分を飾るミジメさを知れ
寒すぎる冬は温泉付きの家でぬくぬく過ごすに限る。
読書やTVで放映されている名作映画を観るもよし。
NHKの年越し映画マラソンで、黒沢明監督作品を堪能した。
近隣には馴染みの寒椿ばかりか桜の花も顔を見せ始めている。
極寒の1月11日は××のため重装備で東京地裁へと出陣!
午後6時にようやく昼食。しっかりとお腹の中から温めた。
この日は、冤罪を着せられた中年サラリーマンと逮捕した新人警察官、そして老いた弁護士によるスペシャルドラマが放映されるというので、録画しておいた。
http://www.tv-asahi.co.jp/hakujitsu/#/?category=drama
「白日の鴉(カラス)」との題名にも関心を抱きながら視たこのドラマは、ベテラン男優陣の熱演と、冤罪を晴らす結末に安堵させられ、後味が良かった。
警察組織に背いて正義を貫き、信念に従って行動する良心ある主人公の勇気と、主人公の新人警察官を力強く後押しする、素朴で太い筋の1本通った先輩警察官らの姿にも心を打たれた。
とりわけ、犯人とされた中年サラリーマンの妻が子供にしばしば読み聞かせていたイソップ物語「おしゃれなカラス」が盛り込まれていたことは隠し味として効果的であった。
「おしゃれなカラス」で検索すると、「虚飾で彩られたカラス」のウィキペディアが見つかり、3つの教訓が明記され公開されている。
カラスがくっつけている虚飾の「羽」とは、自分以外の権力を持つ者や成功し、富を得た著名人など自分の両親・配偶者・家族(義理の両親や義理の息子、娘、元夫、元妻も含む)・友人・知人諸氏の地位や肩書、名声や財産であろうか。
自分以外の者の「羽」を利用して自分を飾る行為によって、私にはこんな親がついている、私にはこういう配偶者・元配偶者がいます、いました、こういった友人・知人たちと交流しているんですよ、私はこの方の推薦です、私の家にはあの方がしばしばお見えになりますなどと権力者・実力者の名を挙げ連ねて、それらの他者と自分との関係性を強調し、一方的に誇示して見せることによって、自らを同等・同格であると位置づけて、他者の「羽」で飾りつけ、偽りの権威づけ、格づけをして、自分の価値を上げ底で浮上させる謀略だ。
時間をかけてコツコツと積み重ねる面倒くさい工程を嫌い、地道な努力を怠り,何ごとにおいても基礎となる真の実力を養おうとせず、一足飛びに成功しようと目論む乱暴な者、権力者に上手に甘えて取り入り、べったりと依存してのし上がっていこうとする者、いい歳になってもビジュアルにばかりこだわり続けている者、そんな、中身が伴わない者に対して、
「必死になって見栄ばかり張っていても見破られますよ」
「実力のないあなた方のメッキは必ず剥がれますからね」
という訓示であろう。
明記されている下記の3点は、老若男女を問わず誰もが反省すべき戒めであり強く共感する。
・どんなに着飾ったり見た目を良くしても、上辺だけの嘘や偽りはなんの意味もない。
・己を受け容れ、己で努力することが大切。
・他人の力でのし上がろうと企めば、初めは良くても、後には必ず暴かれる。
それにしても、これらの教訓、いかにも私、天野ベラが記載したかのような文言ではないか?!
私はそう感じている。
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