安心して叩ける者を叩く言論は無価値である-松居一代氏への集中攻撃に加わるような,誰にでも書ける言論を書くことなかれ-
7月になった。早いね……
このところ,芸能人や政治家等安心して叩ける者への集中攻撃が目立っている。
この行為は「みんなで叩けばこわくない」という集団リンチの感覚に似ている。
「みんな」から叩かれている人を躊躇なく叩く言論は,どれも似たりよったりだ。
https://twitter.com/kazuyo_official/status/883388165578309632
松居一代氏は,今や可愛さ余って憎さ百倍になってしまったが,もともとは最愛の夫であった船越英一郎氏から裏切られた,船越氏を偽善者と感じているようである。
だから,多くの人たちに船越氏の実態を知らしめたいとの強い思いで,同氏の「裏の顔」を暴露する行為に躍起になっているように見える。
そんな思いが炸裂した松居氏のブログや動画を批判することは容易い。
だが,ツイッターの投稿の中に,少しでも投稿者自身の実体験が盛り込まれていて,そうした体験に基づいた投稿でもあるならば,それは読むに値すると思うが,そうした建設的な意見や斬新な指摘,鋭い批判,何らかの意味のある投稿はほとんど見られない。
だったら,「みんな」に叩かれている人をよってたかって叩く,似たり寄ったりの言論など,「みんな」に任せておけばいい。
多くの非難が集まっている芸能人や政治家を選んで叩いている限り,名誉毀損として訴えられるリスクは低いだろう。
そうした意味においても,「みんな」で松居氏を叩く言論を投稿することは,あまりにも容易い。
だが,そんな言論の表明に一体何の価値があり,いかなる意義があるのだろう。
ある時,質屋さんが共同で開催しているバーゲンセールがあると,テレビのニュースが知らせていた。
画面には,ヴィトン柄の大小さまざまなバッグが山と積まれている会場の一角に多くの女性たちが群がり,手に取っては選び,とっかえ,ひっかえしている姿が映し出されていた。
持ちたいのだろうか?
みんなと同じものを?
そう感じた。
これは、ツイッターで松居氏をバッシングする夥しいコメントに対する感覚に近い。
書きたいのだろうか?
みんなと同じことを?
との冷めた思いである。
私が男性だったら,それも西部劇に登場するクリント・イーストウッドのような男性であったなら,書き込もうとしている者にこう言うだろう。
「誰にでも書けるようなことは書くな。そんなこと,他の誰かにやらせておけ。」
そして酒場の柱にマッチを擦りつけて煙草に火をつけると,黙って立ち去る。
実際に価値ある言論とは、権力批判の言論である。
権力者や社会的強者に対する批判であり,そうした者たちによる気づかれていない悪事,悪徳,不正に対する正当な批判であり,世間に知らしめなければならない巧妙な偽善,偽装,虚偽などに対する誠実な糾弾である。
叩いても安心な者や弱っている者を選んで叩く言論は、ズルくて小さい,つまらない言論である。
しかも,匿名で,袋叩きに安心して乗っかって言論を表明している者は,叩かれている人よりずっとカッコ悪いことを知るべきであろう。
さらに,「『日本に帰ってきてすぐに豊田議員の(報道を)見て大爆笑。その後、松居一代さんで大爆笑!なんか“ババアの熱い夏”みたいな!(って)』と豪快に語った。」と野沢直子氏が発言したと報道されているが,これにも呆れた。
片や傷害事件,片や離婚調停から訴訟に及ぶ事件であり,どちらも大爆笑できる問題ではない。
そもそも,野沢直子氏も54歳。決して若いとはいえない。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170707-00000078-dal-ent
デイリースポーツは「豪快に語った」と記載するが,この種の発言に「豪快」の表現はそぐわない。
「毎年夏休みになると出稼ぎ帰国することが恒例となっている」野沢直子氏が,叩かれている女性たちの「モノマネを練習中だと明かした」との報道もある。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170707-01851657-nksports-ent
だが,夫婦間にいかなる理由があるにせよ,最愛の夫から離婚の申し出を突き付けられて別居を余儀なくされ,苦悶の渦中にある女性や,傷害罪として被害届まで受理された加害女性を,お笑いの材料にするならば,非常識きわまりない。
日本に出稼ぎ帰国して動画で見た人物のモノマネを練習中だとすれば,それは取りも直さず「よしもとエージェンシー」所属のお笑いタレントとして出し物に飢えているということであり,常日頃から芸を磨いていないから,芸の引き出しがないということではなかろうか。
私はそう思っている。
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